「宇宙移住」の現実化はもうすぐそこ!? 2017ボーダーセッションに参加しました

スペース、グリーン、サステイナブル、DNA、フード、バクテリアなどのテーマが目立った、2017年のボーダー・セッション。6月の末に3日間にわたって、オランダのハーグで開催されました。

もともとはアメリカテキサスで行なわれているSXSWの欧州版を目指して始めたということですが、今や本家SXSWが規模も、そしてビジネス界に与えるインパクトも相当大きくなっているのに対して、こちらはまだまだ。というより、この手のカンファレンスとしては、理想的な規模かもしれません。

初日は1日をかけた長丁場のワークショップが幾つか行われ、残りの2日間がいわゆるカンファレンス。トークセッションあり、ピッチ大会あり、とカンファレンスの運営自体は普通ですが、やはり特筆すべきは、参加者とテーマのダイバーシティというか、バラエティ感とでもいうべきでしょうか。

さすがは、世界でもトップの多民族国家と言われるオランダです。

アートとテクノロジーとイノベーションの祭典、とは言うものの、冒頭に挙げた通り、テーマは多岐に渡る上、他の、いわゆるカンファレンスとは一線を画しているのは、やはり取り挙げるテーマの独自性でしょうか。

シリコンバレー系とは全く違うし、アルツなどで行われるバリバリのテクノロジー系とも違う。先端テクノロジーが無いわけでもないが、それだけでもない。

スタートアップやイノベーションの本質的な価値、とでも言うべきでしょうか、「大勢に対するアンチテーゼ」「オルタナティブであることがスタートアップたる所以」といったスタンスに立ったものが大半です。ただ、だからと言って、「この技術で世界を変えてやる!」と言った、シリコンバレー的とでも云うべき?使命感はあまり感じません。

いわゆる「変人」たちが、「好き勝手面白いことをやっている感」に溢れている。ただ、もちろん社会的インパクトも決して小さくはない。かといって、それだけを考えているわけではなさそう。もっと自己追求とか、自己満足を追い求めた結果、とでも言うべきでしょうか。スピーカー達が、皆、一様に明るい、生き生きとしている印象を受けました。

長くなってしまいましたが、ボーダー・セッションの特徴を挙げるとこんな感じでしょうか。

IMG_7966

Waag society主催のワークショップに参加

ここで、筆者が参加した初日のワークショップを紹介します。朝から6時間かけて行われたWetlab。これはアムステルダムにあるアート、科学、そしてテクノロジーの研究所でありながら、市民に開放されたファブラボであるWaag societyが主催したもの。

食べ物を調理(解剖)しながら、DNAや、バクテリア、遺伝子、さらには環境についても学ぶ、という身近なものをテーマにしながらも、最新のテクノロジーや科学的なアプローチを用いており、非常にWaag societyらしいワークショップ。

実際には、一見、料理教室?と見紛うように、多くの野菜を切って調理したり。魚を三枚におろして刺身を切り出したり、といったことを行いました。

20数名の参加者のうち、日本人は筆者一人。特に普段、料理が得意でもなく、さらに言うと魚を三枚におろす、などの経験はなかったものの、周りから「日本人なんだし、やってよ」と言った声を受けて、結局、魚担当として多くの魚を三枚におろして、そこから刺身を切り出すことに。料理教室ならず、ワークショップにて、魚の切り方を習うということになりました。

そうした過程を通して、魚の内臓や臓器を実際に知ることができたり、現在の環境が魚やその生態系にどれほどのダメージを与えているのか?という、現在の環境汚染の話。また寄生虫などを取りのぞく作業を通して、菌や遺伝子、そしてDNAの話など、非常に包括的なトピックを扱うワークショップでした。

実は、そのワークショップで調理した料理が、ボーダーセッションのウエルカムパーティーで振舞われる、オランダらしい、またWaagらしい一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもなり得る非常に考えられたワークショップでした。20024224_1609006465797842_6828548882347803323_o

スペース移住が今年の熱いテーマ

また2日目以降のカンファレンスにおいては、宇宙移住の話、そこで人間が生活するために必要となる食べ物の話、また宇宙空間で自活するために、食べられる植物をいかに育てるのか? 人間の排泄物から飲料を再生するテクノロジー開発、などなどのカンファレンスが目白押しでした。

興味のある方はCnetに寄稿しました、こちらの記事も参照ください。(Cnet Japan/「NASAと「火星の家」プロジェクトを進める日本人建築家」

もちろん、シェアコミュニティやロボットテクノロジー、再生可能エネルギーなどの話もありましたが、フィンテックやVR、ブロックチェーンといった、昨今の他のカンファレンスではメジャーなトピックは、あまりありませんでした。

カンファレンス登壇者も世界中から集まっており、どうしてこういう人を集めたのか?といった不思議な感じの人も多く、カンファレンスの規模的にも、登壇者といくらでも身近に話せるのも、大きな魅力の一つです。

 

ニューヨークで建築家として活躍しており、実際にNASAで行われた火星移住のピッチで優勝したCLOUDS AOのMasayoshi Sonoさんや、水中ロボット製作のエキスパートである長崎大学の山本郁夫教授など、日本人の登壇者も参加されていました。

夜11時近くまで明るく、北ヨーロッパの最も良い時期に開催されるボーダー・セッション。今年は、昨年スピーカーとして参加されたEyes,Japanの山寺さん、TODAI TO TEXASの下川さんが日本からは参加されました。

毎年、規模は大きくなっているものの、理想的なカンファレンスの運営規模や、雰囲気、そして他とは違うテーマ設定が魅力のボーダーセッション。来年は、ぜひお越しください。オランダでお待ちしております。

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

w

Connecting to %s